>先日執行官の方が来られました。
それは、その部屋が差し押さえられ競売になったことを意味しています。
> 賃貸契約の更新はまだ1年以上残っており、強制執行はないとのことでしたが、賃貸契約ははたして守られるのでしょうか?
哲さんが借りてから3年間は居住する権利がありますが、それを経過すれば権利は消滅します。更新の有無は関係ありません。最初に借りた日から3年です。
> 競売に際して賃貸契約の有無・期間は明示されますか。
哲さんは、その執行官に契約内容を話しているはずです。また、契約書のコピーも提出しているはずです。それらは全て競売記録として綴じられており買受希望者は閲覧できます。
> あるいは落札者との示談によっては契約期間内でも退去しなければならないのでしょうか?
任意的な話し合いなら何でも結構ですが、契約期間内であっても買受人との権利の優劣は哲さんが最初に借りた日から3年間だけ優先します。
> 費用負担はどうなるのでしょう。抵当権があると契約時には教えられていません。仲介業者や貸し主、落札者の誰と交渉すべきでしょうか。
一次的には買受人と話し合って下さい。決裂した場合は、その損害賠償の請求を、仲介した仲介業者にできます。抵当権設定の不告知ですから、その責任を免れることはできません。
> 貸し主は敷金を返してくれるのでしょうか。
先にお話しした、哲さんが賃借した日から、3年以内に買受人が所有権所得したなら明け渡す必要ありませんし、もし、明け渡すなら、その買受人から敷金を返してもらえます。(買受人が権利義務を旧所有者から承継していますから。)しかし、3年を経過してしてしまっているなら、強制執行で明け渡さなければなりません。つまり、敷金の請求を含む全ての権利はなくなっています。
その場合は、旧所有者(元の貸し主)から返してもらうことになりますが、実際問題として無資力でしようから期待しても無理です。その分を仲介した仲介業者に請求して下さい。
> また、落札者の権利と賃貸契約者とではどちらが優位なのでしょうか?
これも先にお話ししました3年間だけは哲さんの方が優位ですが、それを経過すれば権利は0(ゼロ)と思って下さい。
> なんだか突然のことでわからないことが多く不安です。
その都度お聞き下さい。教えます。
> 何か参考になる本やサイトがありましたら教えてください。
私のHPは強制執行についてのお話です。参考にして下さい。