不動産競売で最高価買受人となれば裁判所から売却許可決定が言い渡されます。その段階で他に売却するケースは見受けられます。しかし、これは大変危険です。何故なら、売却許可決定では所有権が移転していませんから他人の不動産を他人に売却することになるからです。買受人が所有権を取得する時期は残金を納付したときです。従って、買受人が他人に売却できる時期は残金を納付した以後でないとなりません。
どうしても、それをするには「停止条件付」としてよほどの保証と担保がなくてはしてはいけません。私たちもする場合がありますがプロどうしのことで法律を知り尽くしているからできるのです。
まして、残金が納付されていないのに建物を取り壊すなど言語道断です。抵当権なども残金が納付されなければ裁判所の嘱託はしませんので、その段階で所有権移転するには元の所有者からです。もっとも、その場合にはやまちゃんの所有権は抹消され喪失します。
なお、どうしてもやりたいなら、「停止条件付(これはおすすめできません)」の他、民事執行法82条2項による方法です。それはやまちゃんがお金を貸すわけです。そして、そのお金を裁判所の残代金として納付し買受人に所有権が移転した後、あらためてやまちゃんがその買受人から買い所有権の移転をするのです。その方法ですと、やまちゃんの出してお金は保証されますし完璧です。それらの手続きは裁判所と司法書士が密に書類を交わさなければなりませんが、知らない司法書士がいますので注意して下さい。